【氷点(1966)】監督:山本 薩夫

2017/06/17

【氷点(1966)】大映

監督:山本 薩夫
原作:三浦 綾子
脚本:水木 洋子...
音楽:池野 成
出演:若尾文子、大楠道代、山本圭、船越英二、森光子、津川雅彦

当時、1000万円の懸賞がかけられた公募の最優秀作品を映画化。その後、何度も映画化やドラマ化を繰り返す不朽の名作に。

ある夫婦の一人娘が、妻の不義の最中に殺害される。寂しがる妻に夫は孤児院から女の子を引き取ることに。
しかし、夫は妻の不貞を疑っていたために何と娘を殺害した人間の子供を探しだし妻に与えるのである。
この家族には男児(死んだ娘の兄)もおり、思春期になるにつれ義理の妹への恋心を募らせたりと歪んだ家庭の中にも「日常」が垣間見えるところが怖い。

更に娘は他の男にも求婚されるが、母はその頃、夫から15年ぶりに事実を告げられるのである。
自分の娘を殺害した人間の子を愛児の代わりに育ててきた自己矛盾に悩み、娘への態度は硬化していく。
若さへの羨望から、それは更にエスカレートし到頭、息子や娘、求婚者に事実を告げてしまい、主人公である犯罪者の娘は自殺を試みるところで暗転。
しかし、この話は読者からの熱烈な要望により「娘は死なない」という続編に繋がっていくから面白い。

監督の山本は「いまいち自分には理解できない」と失敗作であることを認めているが、私もそう思う。どこか、職人が仕方なく撮ったという感が否めない。
テンポがやたらに早いし、それぞれの役の動機付けや感情表現がどこか演劇染みていて熱量のベクトルが空転しているのである。

しかし、若尾の演技力で何とかもたせているところはさすが。ちなみにこの映画には森光子や船越英一郎のお父様も出ている。

音楽の池野は伊福部昭の高弟で東京音楽学校(卒業ではないそうです)の俊英。
伝統的な旋律的な劇音楽と効果音のような響きもうまく混ぜているがいかんせん映画が救いようもなく弱い。

日曜の定番「笑点」は立川談志がここからシャレでつけたらしい。

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文責:彦坂
 


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