映画 いのち・ぼうにふろう

2018/02/09

原作:山本周五郎「深川安楽亭」より
脚本:隆 巴
音楽:武満 徹
製作:東宝・俳優座映画放送
出演:
仲代達矢栗原小巻山本圭酒井和歌子
中村翫右衛門佐藤慶岸田森神山繁
勝新太郎

山本周五郎の作品は実に男気に溢れている。
ちょっとカッコ良すぎるけれども、人間の本質を描ける作家である。

「世の中ってのはよ、身体が不自由なやつには情をかけてくれるが、気性がおかしいやつには冷てぇもんだぜ」

こんなセリフをサラッと言わせてしまうところなど流石である。

この映画の舞台になる「安楽亭」はそんな「はみ出しもの」の溜まり場。

表向きは酒場だが主人は闇取引を行いながら、ならず者たちの面倒を見てやっているという義侠心溢れる人。

昔のヤクザやたけし軍団なんてのはこんなものだったのだ。世の中にどうしても馴染めない。愛なんぞは信じていないが、誰よりも愛に餓えている男達は力を持て余しながらも日々の生活を送っている。

そんな安楽亭に時々、風変わりな客がくる。愛する女を助けるために罪を犯し逃げ込んできた若者。
家族のために金を稼ぐために仕事に夢中になり金は手に入れたものの、肝心の家族を喪った男など訳ありのものたちばかりである。

お上は違法な商売を堂々とやっている「安楽」の存在が邪魔になり潰しにかかるが...

黒澤の七人の侍や荒野の七人、アンタッチャブルなど西部劇の要素がありながらも、単なる娯楽作品になっていないところが小林正樹らしい。

唯一、この男臭い映画に花を添えているのは当時、吉永小百合と人気を二分した栗原小巻。凛とした女性を演じている。

武満の音楽はあい変わらず非の打ち所がない。



文責・彦坂

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