映画:ラスト・エンペラー(1987)

2020/04/28 [映画・映画音楽]




 

監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
製作:ジェレミー・トーマス
出演:ジョン・ローン、ジョアン・チェン、ピーター・オトゥール、坂本龍一、ケイリー=ヒロユキ・タガワ...
音楽:坂本龍一、デイヴィッド・バーン、蘇聡
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ

イタリア、イギリス、中国合同作品。
清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の半生を中心に史実と創作を交えながら、歴史と国家と個人の悲哀をドラマチックに描いた名作。

日本軍の中国に於ける拠点として作られた満州国に皇帝として据えられた溥儀はあくまでも国家再興を願うも、その実態は蒋介石、毛沢東、日本が入り乱れた大きな濁流の中に有った。

ある時は皇帝に、ある時は戦争犯罪者に、最後は一老人として時代と国家に振り回され続けた彼の人生はまるで夢物語のようなものであったのかもしれない。

ベルトルッチ監督は史実の忠実なる再現ではなく、そこに人間の儚さを見出だしオリジナリティ溢れる歴史一大絵巻を作り上げた功績は大きい。

そう、そもそも歴史などというものは誰かの立場が反映されている時点で『客観的事実』だけでは描き得ないものなのである。
正史などと銘打った書物が胡散臭く感じられるのは、そこには必ず当時の思想や常識、個人的な嗜好が組み込まれて居るのだから。

そして、それを受け止める側の受け止め方も百人百様。

徹底して己の美学を通せる監督は意外にも少ないのである。ベルトルッチは間違いなく巨匠の名に恥じぬ監督であろう。
 

音楽豆知識