「儀式」(1971) 大島 渚 監督

2019/07/02

 

この人も数少ない世界的な水準の監督。
こじんまり纏まらないところが本当に素晴らしいです。

「極端」という言葉は芸術には当てはまらないのです。大抵のことは誰かやっているのでしょうか。
日本の予算と見返りのバランスしか見られなくなったドラマ、アニメ映画は違うのかもしれません。

大島は軍国をも嗤っているんですよね。
そこがすごいところ。生半可な覚悟では撮れないですよね、こういう映画は。
素晴らしいです。


監督:大島 渚
脚本:田村 孟佐々木 守、大島 渚
出演:河原崎 建三賀来敦子
音楽武満 徹
撮影成島 東一郎
編集浦岡 敬一

大島渚の傑作ですね。

戦後の日本の「混乱とやるせなさ」をここまで完璧に描いた作品は他にないでしょう。
しかも、映画の面白さというものをとことんまで知り尽くしている大島渚だから撮れた奇跡の作品です。

ホラー、ミステリー、ラブロマンス、エロス、コメディ、演劇とあらゆる要素が詰まっていて観るものを画面に惹き付けてしまいます。
筋は少し難解ですが、どこかに横溝の「犬神家」を思わせる個性的な人ばかりの大家族でそれぞれの欲望、理想と絶望、欺瞞と献身、人間の悲哀が複雑に交錯し筋書き通りにはいかないところが「大島流」です。

佐藤慶の存在感のすごいこと(笑)
そして会話のところどころに入ってくるユーモアのセンスも抜群です。

日本映画界に無くてはならなかった巨匠の本領を発揮した名作です。

武満のあまりにもおどろおどろしい音楽も見事なコラボレーションとしか言えません。

 

文責:彦坂

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