モードの技法の真髄とは…作曲法について

2019/07/05

 
バークリー・メソッドや機能和声では捉えきれない「旋法和声」(ここではヴァーティカル・モーダリティに絞る)の要諦は、色彩の変化にあります。
私が「究極のジャズ理論」では便宜上「ケーデンス・コード」などと名付けたものは「ドミナント7th」とは意味合いが少し異なるのです。
トライトーンという強制力を行使せずとも車線変更をもっと繊細にできるのが「モード」の面白さです。
この図でまず面食らうのは全て元となる「リディアン・スケール」が書かれているところでしょう。これはジョージ・ラッセルのアイディアを応用したものです。
トニックを「C」に固定している様に見えますが、これはあくまでも「モーダル・トニック」に過ぎません。
絶対的な調性中心はリディアン・トニックにあるのです。
私達の存在は変わらずとも「四季」が移ろって行くように、時間というものは待ってはくれません。しかし、それを擬似的にコントロールできるのが芸術の面白さではないでしょうか。
時にその疑似体験は人生を決定付けてしまうほどの影響力を持ちます。
この譜面を見ると分かることがたくさんあるはずです。
一つ例を挙げましょう。
C LydianとF Lydianの中には「特性音」を持つコードとそうではない両方に共通のコードがあります。
この共通のコード「Em,Am,G(トライアド)」はピボット・コードとして活用できるということです。
それ以外のモードに移り変わる際に「前触れもなく」移っていくか、徐々にグラデーションを変えていくかを使い分けることができるのです。
まずはこの表をみて色々と考えてみたり、音を鳴らしてみることをオススメします。
本音を言えば理論では作曲などできません。現代音楽ですらそうなのです。
どうすれば普遍的なものを生み出せるか、今までにないコード進行体系を作れるか、まだまだ細かいところはやり尽くされてるとは言えません。
機能和声というのは一つの大きな体系として成功した例とは言えますが、それは調性のうちのほんの一部でしかないのです。
 





文責:彦坂

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