ブルースをどう捉えるかその(2)

2019/07/10



あの「(F)ブルースペンタトニック・スケール」の「C♭=B natural」は補助音(エンハンサー)として居た方が良いのか?


実はブルースは「歌と和音の強度」が拮抗しているところに「肝」があり、私はこれを「リディアン・クロマティック・コンセプト」を応用して解析してみて更に良く分かりました。
恐らく、一流のブルースマンやブルースが得意なプレーヤーはこれを感覚的に体得していることでしょう。


・「F」がモーダル・トニック(歌)
・「E♭」がリディアン・トニック(背景)


の音楽がブルースなのです。


あの「F7」というジャズ式の表記は実は当たらずとも遠からずで、実は「ヴァーティカルとホリゾンタルの構造」を同時に表して居ます。


喩え、本来のブルース「3コード(三和音)」に直してみてもブルースの「汎調性」という本質は変わらないと感じます。


分析上、3コードになるとコードネームがそのままリディアン・トニックとイコールになるので、グラデーションの動きが「ダイナミック」...何となく「原始的」になりますが。


(右側の譜例参照)
Ⅴ➡Ⅳ進行は強烈です。
最後のC-B♭は「B♭リディアン」、B♭➡FはFMajではなく古い「F Ionian」とも解釈できます。この場合、B♭にトライトーンを作るE音を入れないほうが良いです。
それがメジャーの香りなのです。
アイオニアンとメジャーは別物なのですよ。


さて、ジャズのリード・シートには一般的に「F7」や「B♭7」と「7th」まで書いてある事が多いのですが、これは「歌い方の指定」までしてくれているとも受け取れます。


たまに見かける「F」とだけしかないリード・シートがありますが、 身も蓋もない事を言えば、それは「Fmixo.」を吹こうが、「FMaj.」や「Fmin.」を吹こうがどれでも良いということです。
そこはアンタが決めなさいというのが本来の音楽の姿なのでしょう。


・・・
(番外編)
Fブルーノートペンタ(ヘクサ)トニックにもトニックの遠近は存在しています。(譜例上側参照)


近い順に並べるとそれは、


(近)A♭➡E♭➡F➡C➡B➡B♭(遠)


となります。
このスケールの構造の面白さは「F-A♭-B♭」と「C-E♭-F」という同型の「トライコルド」を半音の「B」で繋ぎ合わせているということです。(小泉文夫さん、柴田南雄さんの様にテトラコルドに拘る必要はないのです。アカデミズムを知らぬバカの方が気付き易いというのも皮肉なもの)


その特徴的な構造は「F」をモーダルトニックに置かない限り現出しない為に「Fを中心にそのまま素直に行ったり来たりすること」が「王道」たり得ているという訳です。


試しに他の音をトニックに置き換えて弾いてみても「五十歩百歩」なのは、この構造的なシンメトリカルの美に抗えないからではないでしょうか。
いやぁ、難しいですね、音楽を言葉で表すのは。












文責:彦坂
 

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