木下恵介/音楽と画のシュールレアリズム

2019/09/14


木下恵介は日本映画史の中で頭2つ抜きん出た監督だった。
黒澤さんや溝口さんよりも上かもしれない。

しかし、あの音楽は永遠のミステリー。
彼は何故、弟・忠司さんの音楽を使い続けたのか?
それは彼が音楽に頓着しなかったからだと言う人が居るが、ひょっとするともっと深い事情が合ったかもしれない。

私は彼が「音楽などには左右されない」、「音楽に茶々を入れられても耐えうる」映画を撮りたかったのではないかと思う。

とても普通の神経ならあの音楽は耐えられないかもしれない。
池辺さんより数段ひどい。
四、五曲作って使い回していたかもしれない。

技術は磨けば誰でもそこそこは行くが、センスは永遠に身に付かないのである。
そこに意識的である人以外は。
社会の常識やら、日常の殻を破れる覚悟がある人間にしか身に付かない。

木下恵介さんはそれが分かっていて敢えて、弟を使ったのかもしれない。

究極の厳しさと甘さというアンビバレンツ(異化効果)を背負っているのが木下映画の魅力とも言える。

深読みのし過ぎだとは思うが...半分は本気でそう思える。



文責:彦坂

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