【「むなしさ」(2010)/ヴォーカル/ピアノ・スコア譜公開】中原中也

2020/05/03

 

中原中也という詩人は壮絶な詩を書きます。

しかし、単に情動に流されるようなロマンティック一辺倒ではなく、実に冷静に「物事の本質」を科学分析しているようなところもあって、また恐ろしいのです。

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作詩/中原 中也
作・編曲/彦坂 恭人
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中原 中也 「在りし日の歌」より

Ⅰ.むなしさ
臘祭(らふさい)の夜の 巷(ちまた)に堕(お)ちて
心臓はも 条網に絡(から)み
脂(あぶら)ぎる 胸乳(むなぢ)も露(あら)は
よすがなき われは戯女(たはれめ)

せつなきに 泣きも得せずて
この日頃 闇を孕(はら)めり
遐(とほ)き空 線条に鳴る
海峡岸 冬の暁風

白薔薇(しろばら)の 造花の花瓣(くわべん)
凍(い)てつきて 心もあらず

明けき日の 乙女の集(つど)ひ
それらみな ふるのわが友

偏菱形(へんりょうけい)=聚接面(しゆうせつめん)そも
胡弓の音 つづきてきこゆ

※演奏なさる場合は作詩、作・編曲者名を表記の上で行なって下さい。
(こんなR‐指定が入りそうな「厳しい歌」は日本歌曲にもそうそうありませんが・・・響きは浪漫的です。)
 


 



文責:彦坂

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