コードとモードの哲学

2023/11/13

 

私のこれまでの経験上「モード(旋法性)」を理解できない人は「理論」や「客観的な数値」を重視する傾向が強い。

「コード」は「一瞬」を切り取った状態(写真の様なもの)でしかなく、その部品をただ繋げていく「コード進行法」も大差はない。

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「モード」は「時間の経過」や「記憶」をもっと長いスパンで捉え、その「経過や過程」が呼び起こす「Atmosphere」を感じ取らなければ掴めないもの。

その代わり常に浮遊しているので「恐怖」を感じることもあり、「理解できないもの」を「分かろうとし続ける」感性と忍耐が要るのだ。

「無調性」も一つのモードとして捉えられている人の作品は興味深いが、「もう調性は出尽くしたから」と数学的な理由を根拠に逃避している人の作品はつまらないかもしれない。

ヴィトゲンシュタインはそこに意識を集中した点においては天才的であるが、芸術や哲学の本分を遂ぞ理解できなかったとも言える。



文責:彦坂


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