恐るべしユーミンの作曲方法

2023/11/04



 

「恋人がサンタクロース」(1980)
作曲・詞:松任谷 由実
通常のコード理論や機能和声で分析するのは難儀な例です。
モードではないですが「モーダルな進行」とは言えます。

注目するのはコードだけでは足りません。
メロディが持つ「調性中心」、コードの第何音に当たるのか等も研究してみてください。
ちなみにコードの上部構造に解決するという技はチャーリー・パーカーもよくやる手法です。
この例で言えば6~7小節目にかけて。
機能的に見るとA7はD△7に解決するのが順当ですが、「(D)-F#-A-C#-E」のルートより上の構造にコードごと解決しています。
パーカーはこれをフレーズでやってしまいます。
リディアン・クロマティック・コンセプトでもこの技はかなり後半に出て来て「スプラ・ヴァーティカル・トーナル・グラヴィティ」と呼ばれています。
スプラは語源的には「Super(超)」ということ。
天空で舞っているというイメージです。
パーカーが「バード(鳥)」と言われたのは絶妙なネーミングだったと思います。

※画像内訂正:恋人は➡恋人が



文責:彦坂
 

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