東京【新宿・渋谷・池袋エリア中心】の音楽教室

OUTRAGE CODA
監督・脚本:北野武
製作:森昌行、吉田多喜男
出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、大杉漣、松重豊、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、津田寛治、金田時男、塩見三省、岸部一徳他
音楽:鈴木慶一
撮影:柳島克己
私は北野映画を全て観ている。
彼の描く「ヤクザの世界観」は多くの人にとっては少し古臭いし、理解もできないだろうけれど。

昔のヤクザ映画は本当に「作り物」っぽくて嫌いだが、彼の撮るものは妙に生々しく、彼にしか出せないダークでクールな緊張感を有していてそれが作品ごとに「洗練」されているのが分かる。
例えば、親分なんていうと若山富三郎とか勝新とか「いかにも」というキャスティングをしてしまいがちだが、彼のセンスは一味違う。
もう年老いて腕力は無いが風格の漂う下條正巳やインテリ風の加瀬亮、冷酷で頭脳の切れそうな岸部一徳。今回は本当に証券マン出身という設定で大杉漣である。
そこに、たけしはいつも「はぐれ者」として現れる。
カッコいいんだけれど上には行けない、行く気もない。組織の中でも一目置かれてはいるが厄介な存在というスタンスは変わらない。
最初の海外受賞作「ソナチネ」へのオマージュの様なところもあり、これで一つの区切りを感じる。
今は本当にお家騒動になっているようだが、あれも北野流の演出かもしれない。
文責：彦坂