歌モノの作曲の仕方

2023/01/21


■参考楽曲:君はメロディー(you-me・作)
著作権の関係でとても大雑把な譜面しか載せませんが、原則が分かればそこに意識的になる筈です。
 

この曲は、
「流れ」がスムーズ。
そして、フックが明確。
サビがキャッチー。
カンペキなのです。
但し、技術的に真似しただけでは名曲になりません。そこが難しいところ。
勿論、インスピレーションで生まれたものをそのまま出せる人が一番スゴいのですが、作家として長くやっていくにはある種「王道」というものを学ばなくてはなりません。
ポイントの1つが「音域の制約」です。
歌モノで特に女性アイドルの場合はかなり低めに書いておいて間違いありません。
また高域の「B~C~C#」辺りは打込みとは異なり、地声からファルセットに切り替えるか迷うところなので、あまりこの辺りをうろつく様なメロディは避けた方が無難です。(私は自作でここの半音上昇を敢えて入れてボーカリストの挑戦意欲をかきたてようとしたことはありますが)
大切なのは歌詞をはめてみて自然に歌えるかどうか。
反対にメロディだけで成り立たなかったものが、歌詞のお陰でうまく進んでしまうこともあります。
この辺りはインストよりかなり繊細に作り込まないといけません。
驚くのは渡辺真知子の「迷い道」です。
あの曲は平歌からサビまで殆ど同じ様な音域に留まっているのに、何故かドラマティックに聴こえます。
彼女の抑揚の付け方が如何に上手いかが分かります。
歌モノなんて単純じゃん?と思われる方も是非、実際に作って声を入れてみて下さい。
デジタル時代だからこそ、更に「ナマの声」の有難みが分かります!


文責:彦坂
 

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