Ⅴ度マイナーの「機能」について

2023/09/06





本来は機能和声(古典派)の範疇ではないので、そもそも存在しないとして扱われますが、実際には旋法和声、商業音楽では多用されます。
この場合、厳密に言うと「7th」のフォルムを持っていませんので「ドミナント」とするのはおかしいかもしませんが、明らかにⅠ度への進行を促しエオリア、ナチュラルマイナーの調性を確定しているので「ドミナント」と分析します。
拙著「究極のジャズ理論」では「ドミナントマイナー」という言い方をしているのは、機能和声への忖度です。
因みに、リディアンクロマティックで調性の動きを見ると、「E♭▶A♭▶B♭▶E♭」になるのでメジャー「Ⅰ-IV-Ⅴ-Ⅰ」との整合性も取れますね。
クラシック音楽ではサティ、ラヴェルなどが多用しています。



文責:彦坂

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