音楽の基礎・音階・・・④

2023/11/09

最近連載しております【音階】について・・・
さて、ここからが少し難しくなります。

一度で理解できた方はかなりセンスがあると思って頂いて構いません。
基本的な事なのになぜ調べなかったのか...と呆れることばかりですが。

【譜例1】
 

リディアン・スケールの成り立ちについては、前回までにお話しましたが、その先は一体どうなるのか?
これについて書いていきます。

ピタゴラスの「完全5度」を使って和音を堆積していき、ペンタトニック→ヘクサトニック→リディアンまでは辿り着きましたね。
ここまでが「C Lydian」にとって最も「Inside(調和的)」に響きます。


【図1】
 

その後も、音を並べるだけで簡単です。

「F#」から完全5度上ですから「C#(D♭)- A♭-E♭-B♭-F 」。
そして、一周して「C」に戻ってきます。

ここからは特に「グラデーション」と考えると良いでしょう。
また、それぞれの音が「C」に対してどういう立場に在るかを考えてください。


が...。
実はのっけからネックになっているのが「C#」なのです。
順番通りに行けば「次に協和する音」になるはずなのですが、そうはならないのです。

【譜例2】
 


音階に対して、それぞれ「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と部屋を作ってあげましょう。

お隣りさんとの壁が薄い(半音)ところもあれば、少し厚め(全音)のところもあります。

「野球のポジション」と同じで、必ず守備位置には一人置くこと。
そして同じポジションに二人は要りません。

つまり「半音を連続」して使ってはならないと云うことです。
なぜなら「クロマチック・スケール」は中心がどこだか分からなくなってしまうからです。これが「無調性(A-Tonal)」の状態です。

これをルールに作っていくと「C#」はどうあがいても「CLyd.」においては居場所がないのです。

「ド」の部屋に入れてしまえばトニックを交替させてしまうことになり、Clyd.ではなくなります。➡Glyd.になる。

また「D♭」と捉えたとしても「シ・ド・レ♭」とクロマチック(半音階)になってしまうので成り立ちません。
ここは鬼門とも言えます、少し後回しにしましょう。


気を取り直してお次は「A♭(G#)」。
これは交替可能です。
この音とトニック「C」とEとを結びつけると「Augmet」(シンメトリックコード)を形成します。

次に「E♭」。
これもトニック「C」と「F#」,「A」と結びつけると「Diminish」(シンメトリックコード)を形成します。シンメトリックとは「対称形」のことで、ドと並んで「童子に中心」に成れる可能性のある音とも言えるのです。

まず、
・トライトーンで2分割(C-F#)
・オーグメントで3分割
・ディミニッシュで4分割ということになる訳です。

中心的存在(トニック)のイスを虎視眈々と狙える位置に居る人が増えて来ましたが周りの状況から、まだ力が拮抗していて「C」を脅かすところまではいけないのです。
ここまでが、一応「C Lyd.」の中では「Inside」であり自由に変化させながら使っても構いません。

また、短い装飾音(エンハンサー/強調音)としてなら勿論いつでも使えますし(これは「C#」も同様)、レギュラーメンバーと交替してもよいのです。

・・・・
しかし、次の「B♭」はちょっと待った!

これもシンメトリカルに見ると、
ホールトーンで「6分割」になりますが、立候補者が増えすぎて来ました。

今までおとなしかった「DやE」まで「俺でも行けるかも」と立ち上がり兼ねません。

更に「B➡B♭」にしてしまうと「Caug,Cdim」の様なシンメトリカルなコードではなく「C7」が出来てしまう事になり、機能和声なら「F△」へ引き寄せられる力が働きますし、モーダルに捉えても「B♭リディアン」の方向に動き出します。

ギリギリで「CブルースのⅠ度7th」と言い張り「C」が中心なんだと痩せ我慢ができるくらいなものです。
ここからは「Outside」な領域に突入したと言えます。

次の「F」はもう完全に勝てません。
「F-C」と鳴らすと倍音的にも、差音的にも「F」が優勢になります。「F#」が消滅した時点で「Fリディアン」になってしまいますから。

最後に、保留しておいた「C#」。
これは実は近くに居る刺客です(笑)
バーティカルに積んでいくと確かに近親関係にあるのですが、「C」の座を簡単に乗っ取れる位置に居ますし、連続でクロマチックを作り出し「調性崩壊」を演出できる革命家でもあるので、ジョージ・ラッセルは「最も遠い(Outgoing)な音」として例外的に一番後ろに追いやってしまったほどです。

バーティカル(単純に縦割り和声)として倍音構造に素直に並べると意外に濁らない音なので使えなくはないのですが、かなり取扱い注意な存在です。


これで基本的な部分は大まかに押さえました。
ただし、機能和声やバークリーメソッドとの大きな違いは「遠近」はあっても「Avoid」という概念は無いという点です。

これらの関係を全て把握した上で使うなら「クロマティック=無調」に行こうが自由です。

・どの音を混ぜると調性が揺らぐかな?
・あえて「汚し」として不協和な音を混ぜてみるか
                       等と応用ができるのです。

あくまでも機械的に番号を振って並べるのではなく遠近で音同士の関係が見られる様になるのです。

ここまで読みきっただけでも大したものです。

どれだけの人が頭に「?」マークが点灯したことか。

この先はこれを実際にコード(ヴァーティカル)にしていったり、旋律(ホリゾンタル)の方向性を動かしてしまったりという実践が始まるのですが、もうそれはそれは脳ミソが爆発するくらいの試行錯誤と同時に、弛みない練習(まぁキーボード系が楽です)により感得していかなくてはならないのです。

どうしても知りたい方は質問に来て下さい!!




文責:彦坂




































































































































































































































 

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