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Column[ コラム ]

発声方法はどのように行えば効果的?方法や自宅で行うときの注意点も

発声方法はどのように行えば効果的?方法や自宅で行うときの注意点も

歌をうまく歌うためには、しっかり通る声を出すことが大切です。声量を上げたいときに効果的なのが発声練習です。リップロールやタングトリル、腹式呼吸などを練習して、歌唱力を上げましょう。

当記事では、発声練習の具体的な方法とポイント、声が周囲の迷惑にならずに練習するための注意点を詳しく解説します。発声練習を行うことで喉を痛めるリスクを抑えられるので、歌を重点的に練習したい方はまず発声練習から始めてみましょう。

発声練習の方法5選

豊かな声量を響かせるために、発声は欠かせない練習方法です。地道なボーカル発声練習を重ねることで、美しい声色や正確な音階、幅のある表現に近づきます。発声練習に難しい技術は必要ありません。思い立ったときに、自宅で簡単に取り組めます。

発声練習をすると、通る声が出やすくなるのが大きなメリットです。声が通ると表現の幅が広がるだけでなく、日常会話でも相手に良い印象を与えます。

また、歌手や声優など声を扱う人にとって喉は大切な器官です。練習を怠ると、思わぬ故障につながる場合もあります。こまめな発声練習によって、喉を痛めるような発声を防ぎましょう。ここでは、ボイトレで歌唱力を上げるための主な発声練習パターンを5つ紹介します。

腹式呼吸

腹式呼吸は、良い発声を心がけるために必ず習得したい、基本の発声法です。お腹に力を入れながら呼吸することで、体がリラックスした状態のまま、よく通る声が出せるようになります。

腹式呼吸とは、肺で呼吸する胸式呼吸とは違い、腹筋を使って呼吸をする方法です。浅い呼吸に慣れているとなかなか習得できないため、意識的な反復練習が腹式呼吸を上達させる近道です。

呼吸によって肺の奥深くまで空気を入れながら、お腹が膨らむように意識します。膨らんだ状態のまま、へその下の「丹田」と呼ばれる部分を触り、声を出してみましょう。丹田が硬い状態で声を出せれば、腹式呼吸ができている証拠です。お腹を触りながら声出しを繰り返します。

リップロール

リップロールとは、発声の基礎力を高めるのに効果的な練習方法の1つです。唇の上下を軽く合わせ、そのまま息を出して唇を震わせます。

リップロールの練習を行うと発声に使う頬や顎の筋肉が緩み、その結果、表情筋に力を入れることなく声を出せるようになります。また、顔の筋肉が緩んでいると、力まずに音程を取れるのもメリットです。口をすぼめて音を出すリップロールは、呼吸を一定にする必要があるため、声量や地声、裏声のコントロール効果も期待できます。

タングトリル

発声の基礎練習には、舌を巻いて音を出すタングトリルも有効です。一度習得してしまえば簡単にできるタングトリルですが、苦手という人も多くいます。舌をできる限り伸ばしたり、伸ばした舌を上下左右に動かしたりするストレッチを繰り返しながら練習するのが有効です。

タングトリルを覚えると、舌の筋力が鍛えられ、さまざまな声色を作ることが可能になります。同じ「あ」を発声する場合でも、舌の位置によって音に違いを出せるためです。スムーズなタングトリルには、長く一定の呼吸を保つことが欠かせないため、呼吸の技術が鍛えられるのも大きなメリットです。

ロングトーン

ロングトーンは、発声練習に組み込まれる代表的な方法の1つです。できるだけ長く声を出し続けるロングトーンは、身につけると表現力が上がります。音に広がりが出るため、曲の盛り上がりを聞き手に伝えやすくなります。特に聞かせたいメロディーやサビの部分で、ビブラートのように共鳴するロングトーンを駆使するのが一般的です。

ロングトーン練習は、喉の奥を開くように意識すると効果が上がります。日本人は、喉を開かずに発音する日本語の特徴から、喉を使って発声することに慣れていません。出しやすい音を見つけたら、喉を開けるように意識しながら共鳴腔を響かせるように発声します。腹式呼吸を使って体に音を響かせるようにイメージするのが有効です。

母音法

母音法は、母音をはっきりと発音できるように練習する方法です。歌唱力を上げるためには、母音法をマスターする必要があります。母音を意識すると滑舌がよくなり、聞き手に歌詞がはっきりと伝わるためです。また母音の発声を意識することで、口が大きく開いて声量が上がる効果も期待できます。

母音法は、口を大きく開けて練習することが重要です。口を開けているつもりでも、実際はあまり開いていないまま練習を続けている場合が多くあります。より効果を上げるためにも、鏡を用意し、口の開き具合に注意しながら練習を重ねましょう。

発声練習を行うときのポイント

より効果的な発声練習にするには、いくつか気をつけたいポイントがあります。練習時は、声帯筋トレといった発声に必要な器官を鍛えることに気持ちが向きがちです。しかし、練習に入る前のメンテナンスこそが重要です。意識せずに練習を続けると、思ったような結果が得られません。

以下では、レッスン前にチェックしたい、大切なポイントを2つ紹介します。

正しい姿勢で行う

正しい姿勢で声を出すことは、発声練習の基本です。発声する際の姿勢を見てみると、肩や首に力が入り、猫背気味になっている場合が多くあります。身体に必要のない力が入ったまま練習を続けると、喉が開かずに声が出しにくい、無理に高音を出そうとして喉を痛める、などの原因になります。

歌うときや発声練習をするときは、腹筋と背筋に均等に力が入るように立つと、体の安定性が増します。背中を壁につけて立ちながら、正しい姿勢を確認してみましょう。顎を引き、両肩を下げながら胸を張るように意識するのがポイントです。肩甲骨を閉じるように意識すると、自然に胸を張る姿勢が保てます。

発声練習の前にストレッチをする

効果的な発声練習にするには、開始前のストレッチを取り入れることが大切です。ストレッチをすると、身体の緊張がほぐれて声が出しやすくなります。身体が緊張状態のままで発声をくり返すと、声帯に負担がかかり、声帯ポリープの原因にもなります。身体をリラックスさせるストレッチの重要性を知っておきましょう。

ストレッチの方法はいくつかありますが、特に首周りのストレッチがおすすめです。首を右回り、左回りと交互にゆっくりと回します。頭を左右に傾けて、首筋を伸ばすストレッチも効果的です。

また、肩周りのストレッチは、こりをほぐして自然な発声を促します。頭の上に両手を上げて、片方の手でもう片方の手首を握って伸ばしておきましょう。

自宅で発声練習をするときの注意点

家で発声練習をするときは騒音にならないよう、周囲の環境に注意することが大切です。防音室を用意できるのが理想的ですが、防音室の設置は決して安くなく、誰でも簡単に用意できる対策とは言えません。そのため、高額にならない対策から始めるとよいでしょう。

ホームセンターには、それほどお金をかけずに防音対策ができるアイテムが販売されています。防音性の高い素材を使用した防音シートを購入して室内に敷く、防音カーテンを使うなど、音が周囲に漏れないように工夫しましょう。組み立て式の簡易防音室を用意するのも方法の1つです。

また、さらに簡易的な方法として、マイクカバーや、防音マイクなど発声練習グッズも、手軽に防音効果を高められます。

まとめ

発声練習をきちんと行うことで、声が通りやすくなるだけでなく、表現の幅も広げられます。喉を傷めないように、腹式呼吸を練習しリラックスした状態で声が出せるようにしましょう。

また、発声練習を行うときは正しい姿勢で行うことも大切です。体に余計な力が入らないよう、ストレッチをしてから発声練習を始めます。周囲の迷惑にならないように、実際に声を出すときは防音アイテムを使ったり環境を整えたりなどの配慮も必要です。