映画【火花】2017

2022/08/19 [映画・映画音楽]

監督・脚本:板尾創路
原作:又吉直樹
脚本:豊田利晃
製作:岡本昭彦、市川南
音楽:石塚 徹
出演:菅田将揮、桐谷健太、木村文乃、川谷修士

大衆性(社会性)と芸術性の中で悩む芸人の葛藤をここまで見事に描いた作品は珍しい。
自己の感覚に忠実なだけでは「売れない」と分かっていながらも自己を曲げない「師匠・神谷」と、適応しメジャーの舞台を掴み掛けながらも、相方の家庭(結婚や子どもができたり)の事情、そして才能の限界を感じ、最後は夢を諦め不動産会社に就職を決めた「徳永」を中心に芸人の精神性にスポットを充てたところが新しい。
板尾創路は松本人志よりも映画監督の職人としての才能がある。テレビやコントで鍛えられた撮影、編集力というのはビートたけしという前例もあり今後も期待できる。
意外にもと言っては失礼だが「名作」である。
エンディング・テーマ「浅草キッド(同名小説から)」の作詞・曲が北野武なのも粋な計らい。
私は昔から彼の歌は大好きである。「ハードレインで愛はズブヌレ(確か大沢誉志幸)」、「嘲笑(玉置浩二・作/服部克久・編曲)」、「たかをくくろうか(坂本龍一・作)」


文責:彦坂

音楽豆知識