大列車強盗(1979)映画

2018/12/23

 
【大列車強盗(1979)】

監督・脚本:マイケル・クライトン
製作:ジョン・フォーマン
撮影:ジェフリー・アンスワース
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演: ショーン・コネリー 、ドナルド・サザーランド 、レズリー=アン・ダウン 

クリミア戦争時、戦費は「金塊」であった。軍人の給料も武器を買うのも。

現金輸送車よりも更に危ない、現金輸送馬車が銀行から駅に行き、駅から現地に現金輸送列車が運ぶ役目を担っていた。

銀行と駅の幹部は当然、万が一に備えて警備を厚くし、当日までどの様なルートを使って運ぶかを関係者にも公表しなかった。
更に金塊が入った金庫は扉が四分割されており、同時に四つの鍵が無いと空かない仕組みになっている。

その四つの鍵は銀行の頭取、支店長、駅長、財界幹部がそれぞれ個人管理をしていた。

ショーン・コネリー演じる、偽財界人は巧みな演技力と手練手管でこの幹部達の会合に紛れ込み、それぞれの家庭事情や行動パターン、趣味嗜好を探り当て、順に籠落していく。
それは女、ギャンブル、酒と分かりやすいものなのだが...。

コネリーの仲間には鍵師や美貌の愛人(ハニートラッパーの役割も)、脱獄の名人などが揃っていて知的な中にもインチキ臭さが漂っていてコミカルである。

コネリー自信も結婚詐欺、恐喝、空き巣と手段を撰ばぬ行動派のボスであるところがまた面白い。

アナログ社会だからこそ生まれた「犯罪劇」であるが、何故か温かみの様なものを感じてしまうから不思議である。
今は盗むのもデジタルデータをハッキングするだけなので何とも味気ない。人と人とのぶつかり合いや汗と血にまみれた闘いがあるからこそ「物の重さ」が分かるというものであろう。

現代は何に価値が有るのかすら分からなくなっている。全てをデジタルにすることが如何に不毛であるかを犯罪から学ぶというのも皮肉なものだが。

ちなみにマイケル・クライトンという人は2mを超す大男であり、常に最先端の科学や哲学にも興味を持ち続けた人であった。
「ジュラシック・パーク」、「救急救命室ER」などのヒット作も彼が手掛けたもの。

ゴールドスミスは時代に合わせて少しオールドスタイルのスコアを提供しているが、安定感は抜群。
列車が走るシーンなどは典型的なものだが、それを堂々とできるところがポップなのだ。

 

文責:彦坂

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