音の日本庭園とは何ぞや?

2020/05/19

武満徹の晩年に「精霊の庭」という作品があります。
彼は元々、美術評論家を志していたくらいの絵画好きですし、シネフィル(映画狂)だったことでも知られています。

また、推理小説や思想哲学にも造詣が深く、その全てを霊感としてのみならず、具体的な音楽手法に変換していった稀有な存在ともいえるのです。...
ドイツ人がよくアルファベットで恋人や自分の名前の頭文字等を入れて戯れて居ますが、あんなチープなものではなく、本当に調性と音響とイメージの融合に命を張った作曲家であったと思います。

私の蚤の様な才能では彼の少ない頭髪一本にも及びませんが、イメージとしては「参考楽譜」の様な形で作っていたのではないかと思います。
上段は調性関係の確認と大まかな設計図、下の段はフリーハンドで乱雑ですが、キャラクター(石燈籠、林、砂利、小木)ごとにパート分けしたものです。
彼のリズムは基本的にはメシアンの音楽語法のリズムの影響が大きいのですが、時に大胆にそれを超越した凶暴性が現れるところに凄味があるのです。



文責:彦坂


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