【面白い音楽業界】野口寿一さん(東京音大/映放コース3年)の作品公開

2022/07/16


私の癖のあるレッスンに耐えた数少ないお弟子さんの一人、野口寿一さん(東京音大/映放コース3年)の作品公開です。
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今の劇伴は使い回し易く、映像を邪魔しない非旋律的な(または記憶に残らない小綺麗な旋律や和声を持ったもの)音楽が求められています。
それに加えて、EQで極度に各周波数帯の美味しいとされる部分の刺激を強調したり、無駄なレイヤーを重ねて、パーカッシブでインパクトのあるものが必須になっています。
それはそれで「時代の趨勢」ですし、高度な技術が必要なのも確かです。
しかし、映像音楽は決して映像に「従属するもの」ではなく映像と最も強力なパートナーシップを取れる可能性を秘めた媒体とも言えるのです(アドルノか誰かが言っていたかな)。
「古臭い、ノスタルジック」という言葉には皮肉も込められているように私は解釈します。

何処かで武満、坂本に対して恥ずかしくないレベルの音楽性/ポピュラリティのバランスを備えたものを考えていくのが作曲家の使命です。


文責:彦坂

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